発見した日本刀を警察署に持っていってみた

前回、日本刀が出てきた時のお話をしました。実家や倉庫、蔵などを整理していて思いかけずに見つけると、やはり戸惑う方が多いようです。
そんな話を知り合いとしていると、たまたま、その知り合いは実際に警察署に発見届を出しに行ったことがあるようで詳細を聞いてみました。

まず、彼は最寄りの警察署の生活安全課に連絡しました。
「刀が数本見つかったがどうしたらいいか」と彼は聞いたようです。
すると、警察の方は、まず発見届を出さなければならないと教え、何処から出てきたか、持ち主は誰か、登録証はなかったか、などを聞かれたようです。
彼はそれらの質問に答えると
「では、その刀を持って警察署までお越しください」と言われたようです。
その時に、刀はむき出しで持ち運びせず、風呂敷などの何かしらに入れること、と注意されたようです。たしかに、何も知らない近所の人から見れば、袋にも入っていない刀を持った人を見たら警戒しますよね。
また、持っていく日時はいつでもいいと彼は言われたようですが、地域によっては担当の警察の方が不在の場合もありますのでよく確認して下さい。
さらに、こうも言われたようです。
「発見された日本刀は、こちらで廃棄することもできます」

日本刀の発見を警察署に届ける際、『廃棄』という言葉は必ず言われるようです。
実は、発見届の書類の作成は時間がかかり、日本刀の扱いに慣れている警察の方でも日本刀一本に約一時間ほどの時間がかかるそうです。
実際、発見届を出しに行った彼も半日ほど警察署の中で書類の作成をしていたそうです。
また、発見した場所、日時、発見時の状態、元々誰が所有していたか、何処で手に入れたかなど事細かに聞かれるようで、それは時間がかかる、と私も納得しました。
その際でも、二度三度と「廃棄することもできます」と言われたようです。警察の方にとっては、発見届の書類を作るより、廃棄したほうが何かと楽なんでしょう。

「よく廃棄しなかったね」と私は言いました。
長い時間、警察署の中に拘束され、何枚も書類を書かされ、嫌にならなかったのか、という思いが頭に浮かんだからです。
すると、彼は笑いながら
「刀は一本一本違うだろう。刀匠がもう一度同じ刀を作ろうとしても造れない。それが古い刀なら尚更だよ。見つけた刀は世界で一本しかないのに、それを廃棄するなんてもったいないじゃないか」
たしかに、現代のように機械がない時代、全ての刀は手作業で造られていました。しかし、材料のちょっとした違いや火入れの温度の違いで刀は変わります。一本一本が全く違う顔になっているのです。それを簡単に廃棄するのは、古美術品として如何なものか、と彼は言ったのです。

ちょっとした手続きでもめんどくさがるようになった私たちですが、日本の伝統的な古美術品である日本刀を簡単に廃棄などせず大切に受け継ぐことが必要なのではないでしょうか。